パンデミックの起こり方・止め方2 ~天然痘根絶したリーダーに学ぶ
さて前回はパンデミックの起こり方,防ぎ方を学びました。パンデミックには早期発見,早期対処がいかに重要であるかが分かったと思います。過去のパンデミックも同じらしいのですが,最初に感染者が出た時に,疑いを持ったり軽視してしまうと初動が遅くなって手が付けられなくなるという話でした。
それではこの動画の後半戦を考察していきたいと思います。
まずウイルスの移動には3つの要素が大事であると言われています。1つはR0(基本再生数)です。これは1人の患者が何人の人に移す可能性があるか?という指数です。今回の新型コロナウイルスのR0は研究によってさまざまで,2.2~5.7まで示唆されています。
2つ目の要因は潜伏期間もしくは生成時間です。今回の新型コロナウイルスの6日間のように短いと一瞬で広まります。3つ目は感受性の密度です。つまりその集団の中において感染する可能性のある人口はどれぐらい存在するか?という事です。これは今回新型ウイルスなので80億人ですよね。ワクチン接種をすることが必要であるという話がありますが,ワクチン接種することでこの感染密度を下げることが出来ます。集団免疫という話もここから来てますよね。みんなが免疫を持ったら感染密度も下がりますもんね。
今回の新型コロなウイルスは短い潜伏期間と高い伝染性によりめちゃめちゃ流行しました。また症状も様々ですべての臓器に影響を与えます。例えば,腎臓病を引き起こして尿に血液が混じったり,胃腸炎や心不全,味覚や嗅覚に異常を与えます。もちろん肺にも与えます。
日本において新型コロナウイルスに対して重症患者と軽症患者2つに分けていたと思います。この分ける基準もなかなかのものらしいです。今回は血中の酸素濃度で分けるみたいです。どんなに咳をしていても,たとえ咳をし過ぎて寝れなくても,血中濃度が危なくなければ軽傷扱いです。そこで死ぬぎりぎりの人に機械を付けて生きるか死ぬか半々だそうです。
なのでただの肺炎じゃんと思ったり,ちょっと咳するだけじゃんと思っている方は間違いです。寝れないほど咳をしても軽傷扱いなのですから,感染したらかなりつらいと思います。
自粛終わったとしても,ウイルスに気を付けるべきです。
そういえばソーシャルディスタンスの目的も話していました。これは簡単で今回のウイルスは感染する速度がめちゃめちゃ早いので速度を落とすという目的です。正直これだけでは感染者数は減らすことが出来ないのですが,富士山のように1度に感染者数のピークが集まるようにするのではなくて,パルス波(心電図みたいに定期的に増えるイメージ)のように感染者のピークを何個も作れます。そうすることで,ピークが収まった時は他の重病な病気を持った患者さんや妊婦さんも安心して病院に行くことが可能な社会にすることが出来るという事です。しかも先延ばしさせることでワクチンやら薬やらも作れるかもしれません。
今回の新型コロナウイルスのようなウイルスのパンデミックというのはこれから先も起こらないとは限りません。どうせたぶん忘れたころにやってくると思います。直近の新しいウイルスの発生は2002年のSARSと2012年のMARSとかですよね。まあいろいろなことが世間では言われていますが,これから先もウイルスとか地震など様々な自然災害が襲ってくると思います。そう言ったものに向けて日ごろから準備することが大事だと思います。